映画『バビロン』の上映視聴レビュー!ネタバレなしで見どころ・評価・考察してみた
栄光と衰退の物語?登場人物のモデルにも注目!
2023年2月10日公開の『バビロン』は、ブラット・ピット、マーゴット・ロビー主演の映画。映画制作やスターを夢見た者たちのストーリーが描かれます。
この記事では、映画『バビロン』を実際に視聴した後の感想とこれから観る人に知ってほしい観どころをご紹介していきます。
なぜ観るべきか?
1920年代から映画やスターがどういう変化をして来たのかが見どころ!ブラッド・ピット、マーゴット・ロビーが演じる役者の心情・考えにも注目して見て行くとより深く楽しめます。
観て何を感じたか、考えたか?
俳優・女優といったスターたちの生き様について深く考えさせられますね。栄光と衰退について、登場人物ごとに異なるため、どの視点で映画を見ていくかも楽しみ方の一つとなるでしょう。
観終わった後、どんな気分になるか?
ネリーが踊って楽しむ盛大なパーティー、戦場のような映画の撮影現場からの変化に目を見張ります。マニー、ネリー、ジャック、シドニーたちの成功とその後などを見届けつつ、映像や音楽の素晴らしさを感じるでしょう。
観どころ(なぜ観るべきか)
映画『バビロン』を劇場で鑑賞してみて、以下3つの見どころがあるので、これから視聴しようか考えている人は参考にしてください!
- サイレント映画とその後の比較が見もの!
- マニーの成功とネリーとの関係について
- スターの存在について考えさせられる
サイレント映画とその後の比較が見もの!
1920年代の映画は「サイレント映画」として制作されていましたね。カメラ音やキャストたちの声がワーワー聞こえる制作現場にも驚きましたが、映像には音を入れずに後から字幕をつけていくという手法にもビックリです。
こうして映画は今と同じような作り方に近付いていくのが今作の見どころの一つでしょう。トーキー(有声映画)が主体になっていく中、ネリーは防音かつ空調の効かないスタジオで撮影をするのですが…音の調整により何度も同じシーンを繰り返し、最終的には締めきられた防音室でカメラマンが死んでしまうという展開に目を見張りましたね。
一方、落ち目となったジャックが海辺で映画を撮影する際に、撮影現場の人たちは寝ていたり、あくびをして退屈そうだったり…ジャックは昔の戦場のような殺伐とした撮影現場が懐かしくなったのかもと思いました。
映画のラストではマニーが映画館に足を運び、これまで関わった作品のことを思い出すようにして涙を流していたのも印象に残ります。
マニーの成功とネリーとの関係について
マニーは映画に関わって、大作の一部になることを夢見ていましたね。最初は映画の関係者に近付き、「小道具係でも良いから仕事が欲しい」と言っていました。そんなマニーが酔っ払ったジャックを家に送ったのをキッカケに、大作に関わるようになるのが見どころでしょう。映画に音声が入るようになってから、トランぺッターのシドニーの演奏を見たことをキッカケに映画制作の成功を納めていくのでした。
そんな彼とネリーの関係にも注目です。映画のラストにかけてネリーが8.5万ドルの借金をし、マニーに泣きつきますが…彼女を女優として再起させようとして失敗した件なども踏まえて、怒鳴ってしまうマニー。いつもネリーを気にかけ、優しかった彼ですがさすがに見捨ててしまうのではと思いました。
そうしてネリーが踊りに行くと言ってフラッと立ち寄った先で、マニーは彼女を見捨てない理由を明かすのですが…彼女と出会った時から愛していたとのことで驚きましたね。ハッキリと言葉にすることで、これまでの言動にも納得できました。
スターの存在について考えさせられる
スターとして活躍していたジャックが徐々に落ち目に…そんな彼がゴシップ誌のコラムニストであるエリノアの元に行き、自身を酷評する雑誌について問いかけます。彼女は落ち着いて言葉を投げかけますが、ジャック自身ではなく世間の問題だと言うのは切ないですね。
スターという存在は、その時々が決めるものだった…ジャックはセリフの言い方などが悪かったのかとも考えていたようで、そうした客観的な意見に驚いたかもしれません。
エリノアはスターが消えても自分たちの仕事は無くならないと話した上で、彼らの存在意義を語るのも印象的。「自分たちは死んだら多くの人に思い出されることは無く、スターたちは違う」と言いました。録画テープが数十年後に再生される機会もあるだろうと言われ、多くの人に思い出されるのがスターである…そうした話しを聞いたジャックが編集長に「ありがとう」と言って去っていくのも踏まえて印象深いと思いました。
考察(何を感じて考えたか)
映画『バビロン』に登場する俳優・女優といった”スター”たちには、実在した人物のモデルがありました。登場人物たちの印象的だったシーンと共に考察していきましょう。
ジャックのモデルはジョン・ギルバートでした。カッコいい面立ちで、4回の結婚をしていたというのはジャックそのもの。という感じですね。一方で、トーキー(有声映画)に変化してから、甲高い声に失笑された…ジャックが映画内で「愛している」と何度も言うシーンに観客が笑っていたシーンを思い出します。ジョン・ギルバートは1936年、38歳でお酒による心臓発作で亡くなったことを思うと、ジャックがジョージのように銃で自殺をしたというラストも考えさせられました。
ネリーはクララ・ボウがモデルで、貧困の中で育ち、精神病の母がいたとのことでした。下町訛りだったとのことですが、ネリーが上流社会の人間とのパーティーでハチャメチャな言動を見せたシーンを思い出させますね。お上品なパーティーに耐えかねたネリーが叫ぶように悪態をつき、食事を獣のようにむさぼる…その後も品性の無い行動を見せつつ、颯爽とパーティーを去るのが印象的です。
レディ・フェイ・ジューのモデルはアンナ・メイ・ウォンとのこと。彼女は1922年に『恋の睡蓮』という映画に出演しましたが、謎めいたアジア系の女性という役の需要は多くはなかった…ヨーロッパに渡って活躍を求めたとのことで、フェイがジャックと話した際に「欧州に行く」と言っていたのが思い出されます。
バンドでトランペットを演奏していたシドニーは、ルイ・アームストロングやカーティス・モスビーがモデル。黒人だった彼らが顔を黒く塗らされたというエピソードは、シドニーが悔しそうに同じことを強制させられたシーンが思い出されましたね。そんなシドニーは映画の出演を辞めてバーのようなお店で再び演奏をするようになるというラストが印象的です。
登場人物だけでなく当時、制作された映画の映像なども多く流れますが、特に『雨に唄えば』のシーンは、トーキー(有声映画)の代表の一つだなと改めて思いました。
おすすめの人(どんな気分になれるか)
当時の登場人物や事件、映画の変遷などをモデルにして描いた『バビロン』は、歴史の変遷に興味がある人におすすめできますね。もちろん、スターたちの華やかな人生の末路を見守りたいと思う人にもおすすめ!ブラッド・ピットやマーゴット・ロビーたちの演技にも引き込まれるため、ぜひ音楽と共にお楽しみくださいね。
年100本以上の洋画を見て海外ドラマもついつい見続けてしまう こでぃも です。新作公開映画は年に20本観るので時間が欲しくてしょうがないです(笑)マーベル、DC、ディズニーを見たり、ネットフリックスのオリジナル作品も凄いなと思う今日この頃。アクション映画の迫力、ファンタジーの魅力などなど、皆さんにも映画のおもしろさを伝えつつ、楽しんでいければと思いますのでよろしくお願いします~