映画レビュー『エブエブ』の見どころ3選と観るべき人を徹底解説！

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を劇場鑑賞した見どころは以下3つ。これから視聴しようか考えている人は参考にしてください！

• 他の宇宙とのリンクに驚愕！
• エブリンが他の力を手に入れていくのに注目！
• シェフの世界に笑ってしまった

 

他の宇宙とのリンクに驚愕！

映画の序盤でエブリンが別の宇宙（バース）の存在を知り、夫のウェイモンドから驚きの指示を受けつつも信じられない面持ちを浮かべていましたね。見ている側にとっても何が起きているのかと見入ってしまいましたが…そんな中で、警備に囲まれたウェイモンドが唐突にスティックのりを取り出して食べ始めるのに驚愕！バース・ジャンプをするためには突拍子もない、特異な行動を取らなければいけないという条件を目の当たりにするのです。

こうしてウェイモンドはカンフー・マスターとなってウエストバックをヌンチャクのように縦横無尽に振り回す！数人の警備員をあっという間に倒したかと思いきや、立ち上がってきた彼らに対しさらに重い一撃を放っていくのが見ものでした。水槽の石をウエストバックに詰めるという手法は、オフィスビルならではの手だと感じましたね。

この後、国是英曲の監査官のディアドラがバース・ジャンプでプロレスや相撲の技を使ってきたり、エブリンもカンフーでディアドラの攻撃をいなしたりするのが見ものです。

 

エブリンが他の力を手に入れていくのに注目！

エブリンは娘とウェイモンドと共に隠し部屋に逃げ込んだ際には、ガスが立ち込めてくるという危機的状況に…！バース・ジャンプで歌手だった自分とつながるのにも目を見張りましたね。その平行世界では、エブリンは子供の頃に失明してしまい、歌手として大成していたようです。

肺活量が上がったことで長く息を止められ、ガスの影響を受けないエブリン！それだけでなく、ガスで視界が悪くても盲目の際の生き方を取り込んでいるため周りの動きが感知できていたのも凄いです。

この後、路上で看板をくるくる回す力を得て、囲んでくる敵を一掃するのも見もの！映画『マトリックス』のようにスキルをインストールしているようにも見えておもしろいですね。

この後、指がソーセージになったバースから足技を獲得したり、人形や石になったバースなども描かれますが…映画のラストにかけて大切なワンシーンがつながっていくのが見ものですよ。

 

シェフの世界に笑ってしまった

エブリンがシェフとしての道を歩むバースでは、お客を前にしてレストランで華麗な包丁さばきを見せていましたね。その技を利用して狂暴な犬を連れてきた女性と戦うのが見ものでした。

犬のリードをスパッと斬る時のエブリンが勇ましく、その後もたびたびシェフのバースが映し出されるのが見どころ！エブリンがウェイモンドとジョイにバース・ジャンプの説明をする際に「シェフがアライグマを頭に乗せて操られる映画…！」と言うのですが、ジョイは『レミーのおいしいレストラン』のことかと指摘。アライグマとネズミを勘違いしていたのかと思いつつ、再びシェフのバースに移った際にはもう一人の人気シェフの男の頭にアライグマが！髪を引っ張ってシェフを操り、料理をしているので「こんな世界観もありえたかも」と思ってしまいましたね。

この後、シェフが動物管理局に捕まってしまったアライグマを追いかけるという感動的なラストも見逃せません。

 

ウェイモンドから見てエブリンは頑張っていると理解していましたが、彼女は父親のゴンゴンに認められなければ意味がないと考えているようでしたね。駆け落ちしたことで父から見放されたエブリンですが、コインランドリーの経営は難しかったようで…レシートの山を仕分けしつつ、監査で厳しく言われていたのを見ると大変そうなのが伝わってきます。

優しいだけのウェイモンド、父に良く思われないだろう娘のジョイのガールフレンドの存在…そしてディアドラからの厳しい叱責が重なっていくと、人生に嫌気がさすでしょうね。バース・ジャンプで歌手や女優となって脚光を浴びる人生を見たら、そちらに惹かれるのもわかる気がします。

そんなエブリンがカオスの刺客”ジョブ・トゥパキ”と戦う決心をしたのは、彼女がジョイだったからでしょう。アルファバースでは娘を過酷なトレーニングで追い込んでしまったことで、ジョブ・トゥパキが誕生してしまったとのことですが…多くのバースとリンクする恐ろしさを目の当たりにしました。ジョブ・トゥパキは攻撃されてもコミカルな演出と共に無効化するため、別の恐怖を感じさせます。

そのため、エブリンがジョイを助けようとバースへのリンクを広げた際に危うくジョブ・トゥパキと同じようになりそうでしたね。どのバースのエブリンも、店や恋人を捨てようとし、ウェイモンドを刺してしまうという選択も…にも関わらず、ウェイモンドはエブリンに「優しく、親切に」と何度も語りかけるというラストは涙を覚えます。

どんなエブリンでも、ウェイモンドは変わらず愛するという不変さが伝わってくる展開を経て、ジョイを救うことができたのは感動的でした。親に認められない子供として、エブリンとジョイが描かれる中、ウェイモンドの存在により円満となる結末を踏まえると、今作はファミリードラマだったのかなと改めて思います。

 

エンディングでSon Lux, Mitski, David Byrneの『This Is A Life』が流れる中、感傷に浸ってしまう作品でしたね。家族との関係性を考えつつ、他のバースでは自分はどういった人生を歩んだのかなども考えてみたくなりました。

特異な行動に思わず笑ってしまうコメディ映画としても、色んな可能性を感じさせるSF映画としても、オススメできる今作！カンフーなどのアクションが好きな人にもおすすめの映画と言えるでしょう。

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